“麹の力で胃腸をいたわる” 山田奈美さんに教わる「参鶏湯風スープ」 | 仕込み上手な朝ごはん | cotogoto コトゴト
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山田奈美さんに教わる「参鶏湯風スープ」

2023年12月公開

麹の力で胃腸をいたわる
山田奈美さんに教わる
「参鶏湯風スープ」

ごちそうをいただく機会の多い年末は、胃腸に負担がかかりがち。
朝ごはんに消化を助けてくれる酵素や麹菌を含む
発酵食品を取り入れることで、胃腸をいたわりましょう。

薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、
肉をやわらかくし、消化しやすくする働きのある塩麹を使った
「参鶏湯(サムゲタン)風スープ」のつくり方を教わりました。

また、発酵には食材の味に深みが増すという利点も。
箸休めにぴったりの、発酵させてつくる「発酵柚子大根」もご紹介します。

〈 メニュー 〉

教えていただいたのは……

薬膳・発酵料理家
山田奈美さん

山田奈美さん

薬膳・発酵料理家、食養研究家、国際中医薬膳師。
「東京薬膳研究所」主宰・食養研究家の武鈴子氏に師事し、東洋医学や薬膳理論、食養法について学び、現在は、「和食薬膳」や「発酵教室」「離乳食教室」など、昔ながらの日本の食文化を継承する活動に取り組んでいます。北京中医薬大学日本校卒。
「いつもの食材と調味料で体が整うごはん」(ナツメ社)、「菌とともに生きる 発酵暮らし」(家の光協会)、「二十四節気のお味噌汁」(WAVE出版)など、著書多数。公式サイトは、こちらから。

参鶏湯風スープ

参鶏湯風スープ

鶏肉を漢方の食材などと一緒に煮込む韓国の滋養たっぷりのスープ「参鶏湯」を、
高麗にんじんなど入手の難しい食材いらずで、
煮込み時間もより少なく手軽につくれるようにアレンジ。

発酵食品である塩麹を鶏肉に漬け込んでおくことで
鶏肉がほろほろとやわらかくなり消化しやすくなるうえ、胃腸の働きを整えてくれます。
また、長ねぎやしょうがが体を温めてくれ、
甘さとねっとりした食感がアクセントになる、なつめには栄養がたっぷり。

一口食べれば、鶏の旨みが溶け込んだだしの風味が口の中に広がります。
お米も入ってお粥のように食べ応えもしっかり。
一皿で満足感のある一品です。

仕込み上手のポイント

前日に鶏肉を塩麹に漬け込んでおくことで、塩麹の働きでお肉がよりやわらかくなり、
煮込む時間も節約できます。
また、前日に昆布を水に浸けておけば、朝にだしを用意する手間が省けます。

材料
  • 【2人分】
  •  鶏手羽元または骨つき鶏肉(ぶつ切り)など…300g
    ※骨からも美味しいだしが出るので、骨つきがおすすめです。
  •  塩麹…大さじ1と1/2
  •  米…1/2合
  •  酒…大さじ2
  •  塩…一つまみ
  •  しょうが…1かけ(10g)
  •  昆布(5cm四方のもの)…2枚
  •  干しなつめ(お好みでぎんなん適量に変えたり、なくても)…4個
  •  黒こしょう…適量
  •  長ねぎ…1/2本(30g)
  •  水…0.8~1L
    ※とろりとさせたい場合は0.8L、さらりとさせたい場合は1Lを目安に、
    お好みで量を調整してください。
つくり方
前日まで
  • 保存容器または鍋に昆布と水を入れて冷蔵庫で一晩置きます。
    写真は一晩たったときの状態です。

  • 鶏肉に塩麹をまぶして、冷蔵庫で一晩置きます。

当日
  • しょうがを薄切りに、長ねぎを斜め薄切りにします。

  • だしを鍋に入れ、鶏肉、酒、米、塩、薄切りにしたしょうが、なつめを入れて中火にかけます。
    沸騰したらアクを取りながら、中弱火で30~40分、とろりとするまで煮ます。
    少し水分が減ってきたら焦げつかないようたまにかき混ぜます。

  • ねぎを加えてさっと火を通し、塩と黒こしょうで味を整えます。

発酵柚子大根

発酵柚子大根

柚子の皮や果汁の香りが漂う、さっぱりとした大根の漬け物。
爽やかな香りや酸味、しゃきっとした歯ざわりで、スープの箸休めにぴったり。
大根を発酵させておけば酸味や旨みが深まり、腸の働きを整えてくれるうれしい作用もあります。
また、砂糖ではなく、みりんを使うことでやわらかな甘みに仕上げます。

仕込み上手のポイント

3~4日間塩に漬け込んで大根を発酵させることで、
自然な酸味や旨みが引き出されより美味しく仕上がります。

材料
  • 【2人分】
  •  大根…100g
  •  塩…2g(大根の2%)
  •  
  •  (A)
  •  柚子の果汁…大さじ1/2
  •  柚子の皮…1/2個分(10g)
  •  酢…大さじ1/2
  •  みりん…大さじ2/3
  •  赤唐辛子…1/3本
つくり方
前日まで
  • 大根は皮を剥いて拍子木切りにします。
    柚子の皮をせん切りにします。
    赤とうがらしは輪切りにします。

  • 塩をまぶしてよく揉み、保存容器に入れて冷蔵庫に3~4日置きます。

    ※酸味を控えめに、より歯応えを残したい場合は、発酵させないつくり方も。
    前日から、または当日に10分ほど塩に漬けてください。

当日
  • 大根の水気をしっかり絞ります。
    さらしなどでくるんで絞ると水気がよくきれます。

  • 1にAを和え、10分ほど置いて味を馴染ませます。

山田さんの器選び

山田さんの器選び

主役のスープの色味を引き立ててくれるようなやさしい色合いでまとめました。
スープを入れた鉢は、参鶏湯の白と馴染むようなやわらかい灰色を選びました。
色味が控えめなので、料理を邪魔せず美味しそうに引き立ててくれると思います。
柚子大根を盛りつけた木瓜鉢は、柚子の黄色とも相性のいい、薄い飴色に。
正月にも食べられるおめでたい料理でもある柚子大根は、
縁起のいい木瓜のかたちと相性がいいと思います。
スプーンは半磁器のものにして、温かみのある質感とやわらかな色を
食卓のアクセントに。
灰色を帯びたような穏やかな色がスープに似合います。

  1. 木瓜長鉢 5寸 うす飴 (瑞々)
  2. 切立鉢 大 灰釉 (佐藤大寿)
  3. スープスプーン 水色 (4th-market)

朝食づくりにあると便利な道具

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