素材別 野菜 かぶ
「古事記」にも記述があるなど、日本で古くから親しまれてきた根菜。
「かぶら」や「すずな」とも呼ばれ、春の七草にも数えられています。
クセのないやさしい味わいで、生で漬物やサラダに、
煮物や味噌汁の具としても美味しくいただけます。
京都の「聖護院かぶ」など、日本各地で土地に合わせた品種が生まれ、
赤かぶや白かぶなど種類が豊富。
根の部分以上に葉に栄養がたっぷり含まれるため、
葉もふりかけや油炒めなどで余さず使いましょう。
豆知識
かぶと大根は、品種によっては似た見た目のものも多く、間違われがち。
どちらも同じアブラナ科の植物ですが、
かぶはアブラナ属、大根はダイコン属。
かぶは大根よりも、アブラナ属の他の野菜である
白菜やキャベツ、菜の花などに近い野菜なのです。
また、「ラディッシュ」は赤かぶの一種と思われがちですが、
実は西洋品種の大根の一種です。
見た目は似ている2つの野菜ですが、
生の食感は、カブはサクサク、大根はシャキシャキ、
味わいは大根の方が部位によって辛みがあります。
煮物にするとかぶの方が味の染みがはやい反面、
煮崩れしやすいため注意が必要です。
旬
冬だけが旬のイメージが強いかぶですが、実は春と秋冬の2回あります。
春採れのかぶは皮までやわらかく、秋冬のかぶは身がしまっています。
栄養
根には消化を助けるアミラーゼなどの消化酵素が含まれ、
胃腸の働きをサポートしてくれます。
葉は緑黄色野菜で、カルシウム、鉄、β-カロテンなど栄養が豊富。
とくにビタミンCは、葉が根の約4倍を含んでいます。
アミラーゼは熱に弱いため、
根はサラダや漬物など生でいただくといいでしょう。
大根のようにおろしても。
大根より辛みが少ないので、子どもでも食べやすいです。
選び方
葉がピンと張っていて、茎のつけ根が淡い緑色をしているもの。
根の表面にツヤがあって、丸くかたちが整っているもの、ひびの入っていないものがおすすめです。
主な切り方・下ごしらえ
保存方法
常温:×
冷蔵:○
冷凍:○
かぶは、すぐに根と葉を切り分けることが新鮮さを保つためのコツ。
切り落とす位置は、料理に合わせて茎を少し残しても問題ありません。
保存に適した温度が低いため、基本的には冷蔵保存がおすすめです。
根は新聞紙に包んで、乾燥しないよう袋に入れて。
葉は湿らせたキッチンペーパーなどに包み、袋に入れます。
根よりも傷みやすいので、はやめに使いましょう。
冷凍の場合は、食べやすい大きさに切って、さっと茹でるか塩もみして、
袋に入れて冷凍します。